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糖尿病に果物ジュースは悪いか?
果物のジュースを糖尿病患者が飲むのは良くない。お勧めできない飲み物だ。果物のジュースは果糖が多すぎるため、血糖値を上昇させる。
果糖とは果物に多く含まれる糖分であり、砂糖などのスクロースと比べると血糖値の上昇は少ないが、それでも体内に蓄積されやすく、肥満の原因にもなるので、できるだけ摂取を控えたい糖分の一つである。
とはいえ、果物はビタミン類やその他の栄養素が豊富という意味では、魅力的な食品であり、ぜひ積極的に摂取をしたいものでもある。
例えば、バナナは一本当たり約80kcalしかなく、低カロリーな食品である。その割には、栄養価は非常に高い。
身体の細胞の代謝を行うために必要不可欠であるカリウムやマグネシウムを豊富に含み、ビタミンb2、ビタミンb6、ナイアシンや葉酸、食物繊維、幸せホルモンと言われるセロトニンやそれをつくるトリプファンなどが含まれる。身体への健康に加え、精神の健康にも良く作用する果物である。
これを、自身が糖尿病だからという理由で、摂取せずにおくのは非常にもったいない。
ましてバナナは価格が他の果物と比べると安く、上に書いたように栄養価は非常に高いのである。
果物ジュースは飲まずに、適量の果物を食べよう
そこでの提案なのだが、果物ジュースを飲むのはやめるとして、適量の果物を食べるのはどうだろうか。
オレンジジュースやグレープジュース、リンゴジュースなど、おいしい果物のジュースは市場にたくさん並べられている。(実情は濃縮還元で果物そのもののジュースではないが。)
これらはやはり非常に甘い。果糖ブドウ糖がすごい。ブドウ糖と言えば、そのものがすぐにグルコースであり、血中に流れ込めば大変なことになる。血糖値がものすごく上昇してしまう。
ここでは、少々強引だが、果物ジュースは悪、果物は善として、果物を食べることをすすめたい。
もちろん、普通に果物を食べたって、果糖を摂取することになる。ただし、量を調節すればどうってことはない。
特に朝など、身体のエネルギーが枯渇している時間に食べるのであれば、身体にはマイナスどころかプラスになる。
毎朝、~200gの果物を
朝、200g以下の果物を摂取することにしよう。
例えばバナナであれば、毎朝一本。リンゴであれば、大きさによるが小さいものなら一個、大きなものだと...半分くらいであれば200gには収まるだろう。
もちろん糖尿病の重度によっては、一切果物を摂ることができない方もいるだろう。いずれにしろその場合は果物ジュースは飲めない。そこまで重度出ない場合は、可能であれば、栄養学的にも果物を食べたほうが健康に良いらしい。豊富なビタミン、ミネラル、食物繊維、そして適度な甘みでストレスも解消される。
糖尿病患者が食べても良い果物の量(日本糖尿病学会より)
・みかんー中2個
・りんごー中1/2個
・なしー中1/2個
・グレープフルーツー1個
・バナナー中1本
このようにみると、りんごやなしなどは半分、柑橘系はほとんど丸々1個食べても良いことがわかる。
日本糖尿病学会は、一日に80kcal以下の果物を摂ることを推奨している。低カロリーでビタミンとミネラルを摂取できるのは非常にありがたい。
話が前後してしまうが、その意味でも果物ジュースはおすすめできない。濃縮還元の工程でビタミン類は破壊されてしまう。果物ジュースだとビタミンが摂れないのカロリーだけ摂ることになるのだ。
*200gという数字の根拠は、公益法人 日本栄養士会のホームページによるものである。