糖尿病と妊娠

糖尿病と妊娠

昔は、糖尿病を患った女性が妊娠すると、死産に終わるか、母子ともに命を失ってしまうケースがほとんどだった。
しかし1921年にインスリンが発見されたことで、状況は変わり糖尿病の女性でも妊娠がある条件においては可能となった。

ただし現在もそれは容易なことではない。妊娠前から準備が必要で、妊娠中の治療や出産は糖尿病専門医、産婦人科医、眼科医、新生児科医、眼科医、栄養士、看護婦、助産師による診療が必要となる。

欧米では積極的に行われてきたが、日本では1964年に初めて東京女子医科大学にて糖尿病の女性が出産を行い成功した。
最近では年約50人の新生児が誕生している。

糖尿病の出産の危険性

それでも、糖尿病の女性の出産には危険性が付きまとう。糖尿病が胎児や妊婦に悪影響を与える可能性は高い。
例えば、胎児が奇形で生まれてくるケース。大奇形(機能障害が大きい)だけでも4~6%の確率で発生する。

また、妊婦の場合では合併症が現れたり、糖尿病が悪化する場合もある。そのほかにも経口血糖降下薬が胎盤を通じで胎児に悪影響を与えることも考えられる。

医師が妊娠・出産を行えると判断する条件としては、女性の血糖値が空腹時で100mg/㎗以下、食後二時間で120mg/㎗以下である。また長期のコントロール指標としてヘモグロビンA1c6%以下で、これらの数値をクリアできれば妊娠は許可される。

妊娠中は、インスリン注射を行ったり、また食事療法を行うことで糖尿病に対応する。
また分娩時にも、インスリンによる血糖値のコントロールが必要となる。

糖尿病への対応と妊娠による体質・体調の変化で、妊婦には相当の体力と気力が要ることが容易に想像できる。

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